来たる9月20日、App Store 内で Apple Arcade が始まる時、世界中のプレイヤーの皆さんは、何年もの歳月をかけて作られたゲームの数々を実際に自分で体験してみることになります。それらを制作したゲーム開発者たちは、技巧を尽くし、好奇心を刺激し、そして何よりも沢山の愛情を注ぎ込んで、Apple Arcade だから可能な、多彩で新鮮味のある、選りすぐりのゲームを作り上げました。ここでは、そうしたストーリーのいくつかをご紹介しましょう。
「The Enchanted World」
「The Enchanted World」では、プレイヤーはパズルやチャレンジを使う妖精となり、ピースを集めて壊れゆく世界を元に戻すという役割を担います。共にクリエイターで友人同士でもあるIvan RamadanとAmar Zubcevicはどちらも33歳ですが、彼らにとって、このゲームはそれ以上の意味を持ちます。これは、戦時中に成長していく子どもの姿を隠喩しているのです。RamadanとZubcevicはどちらも、1990年代のバルカン諸国での紛争期にサラエボで育ちましたが、彼らの両親は創造力を発揮して、子どもたちを取り巻く暴力と危険から彼らを守ってくれたのです。
「サラエボは4年間も軍に包囲されていました。電気はなく、水道もなかったので、井戸まで水汲みに行かねばなりませんでした。そうして両親と一緒に外に出て、水を入れた容器を家に持ち帰る手伝いをしたものです。親の手伝いをするのは、自分たちにとって一種のゲームでした」と、Zubcevicは言います。
そうした子供時代の思い出から、「The Enchanted World」は生まれました。このゲームはゲーム開発企業 Noodlecake の協力の下でリリースされ、バルカン諸国の音楽や伝統を特色としています。
「僕たちのゲームは、どんなに最悪の状況の中にいても、忍耐力と想像力をもって、自分と自分の友達のために魔法のような世界を作り上げることができるすべての子供たちをテーマにしています。だからこそ、彼らの世界は神秘的で、だからこそ僕たちは常に、これまでよりも少しだけ成長できるのだと考えています」と、Zubcevicは言います。
「僕たちが目指したのは、この作品を平和にあふれたおとぎ話のようなゲームにすることでした。子どもたちとその親御さんが一緒になって楽しんでもらえたらと思います」と、Ramadanは言います。