2003年4月7日−アップルは本日、業界をリードするビジュアルエフェクト・ソフトウェアの最新版となるShake®(シェイク)3を発表しました。Shake 3はネットワークレンダリング管理ソフトウェア「Shake Qmaster(シェイクキューマスター)」やライセンス数無制限のネットワーク・レンダリング・ライセンスなど、Mac® OS Xのみを対象とした新機能を数多く装備しています。Shake 3によって、ビジュアルエフェクトのアーティストは、レンダリングタスクをクラスタ構成されたアップルのXserve™ 1UラックサーバやPower Mac® G4コンピュータに簡単に分散処理させることができるため、パフォーマンスと効率を最大限に高めることが可能になります。またShake 3はMac OS X、Linux、IRIXの各プラットフォームで使用可能なビジュアルエフェクトとして、モーショントラック機能やリアルタイムのブロードキャスト・プレビュー機能などを新たに搭載しています。
Shakeは主要な映画スタジオおよび代表的なビジュアルエフェクトプロダクションなど、高解像度の作品制作のために開発された、業界最新鋭の合成ソフトウェアです。Shakeは業界で最速の、解像度に依存しないソフトウェア・レンダリング・エンジンを搭載するほか、各プロダクションに高く評価されているビジュアルエフェクトのツールセットや、1つのプロジェクトにおいて複数の色深度に対応可能な合成アーキテクチャーを装備しています。Shakeはこれまで、アカデミー賞を受賞した「ロード・オブ・ザ・リング」3部作のすべてを含めた100作品以上の映画制作において使用されています。
「Shake 3は、オスカーを獲得した作品で使用されたビジュアルエフェクト・ソフトウェアをさらに強化し、より多くの人に提供するものです。Shake 3では、すでにShakeをお使いいただいているお客様に対して新たな機能を提供するだけでなく、Mac OSXユーザー専用に、革新的なネットワーク・レンダリング機能を新たに提供します。」と、アップルのワールドワイドプロダクトマーケティング担当上級副社長、フィリップ・シラーは述べています。
Mac OS X版Shakeには、ネットワーク・レンダリング管理ソフトウェア「Shake Qmaster」が新たに含まれています。Shake Qmasterはアップルの「Rendezvous™(ランデブー)」ネットワーク・テクノロジーを用いて、ネットワーク上で使用可能なレンダーノードやクラスタを自動的に特定するほか、ロードバランシング機能によってワークフロー上のマシンの使用を最適化します。また耐障害機能を内蔵することにより、XserveまたはPower Mac G4がオフラインになると、クラスタに含まれる他のレンダーノードにタスクを振り分けるため、時間通りにプロジェクトを完了できます。Shake Qmasterはオープンアーキテクチャーのため、 Alias|Wavefront社のMayaといった多くのすぐれたサードパーティ製アプリケーションを使った分散レンダリングもサポートします。
Shake 3には、制作プロセスを円滑化し、アーティストの創作力を高める強力なビジュアルエフェクトのツールの数々が用意されています。ロトシェイプやペイントストロークにトラッキングデータを適用できるため、時間のかかるロトスコープ作業が自動化されます。また新しく搭載されるオーディオサポートでは、アニメーションカーブに対応するオーディオ波形を表示できるため、音声にシンクしたビジュアルエフェクトがより簡単に制作できます。さらに、フィルムグレイン・フィルターによって、様々な種類のフィルムグレインを正確にシミュレーションできます。そして、大幅に改良されたアニメーションカーブ・エディターにより、一定範囲のフレームにわたるスロープや値などの特定のアニメーション動作の保持を可能にします。
Shakeは商業用ポストプロダクションのプロフェッショナルを対象としたさまざまな新機能を搭載しており、エディターやモーショングラフィック・デザイナーなどの専門家による、オスカー級のビジュアルエフェクト制作をサポートします。Mac OS X 版に含まれるブロードキャストモニターのサポートでは、合成映像をリアルタイムで、正確なプレビューとしてビデオモニターで再生できます。またShake 3ではPhotoshopのレイヤーを、ブレンドモードで読み込むことができます。
Mac OS X版Shake 3は、アップルの新しいXserveクラスタノードモデルと分散アプリケーション向けの構成に最適化されています。Xserveのクラスタノードモデルは、デュアル1.33 GHz PowerPC G4プロセッサを搭載し、Velocity Engine™によるベクトル処理、最大2GBの333 MHz Double Data Rate(DDR)メモリを搭載し、1Uフォームファクタで最大19.5ギガフロップの演算処理が可能で、368,400円からというお求めやすい価格で提供されています。
価格と販売について
アップルは、アップルソリューションエキスパートである株式会社ビジュアル・プロセッシング・ジャパン、アップル直販営業およびShake取扱販売会社を通じて、2003年6月よりMac OS X版、Linux版およびIRIX版Shake 3の販売を開始する予定です。Mac OS X版Shake 3は614,800円(メーカー希望小売価格、税別)で、これにはライセンス数無制限のネットワーク・レンダリング・ライセンスが含まれます。Linux版およびIRIX版および年間メインテナンス料金はオープン価格です。
なお、現在Linux、IRIX、WindowsでShakeをご使用のお客様がMax OS Xに移行される場合、現在保有されているライセンス数を2倍にして無償で提供するサービスを引き続き提供します。
システム要件を含むShake 3の詳しい情報は、アップルのWebサイトでご覧いただけます。